環境報告書~環境情報の公開~

このコラムでは大学における環境情報の公開、環境報告書について紹介します。

☆環境配慮促進法と環境報告書

2004年6月に環境配慮促進法(正式名称「環境情報の提供の促進等による特定事業者の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律」)が制定され、60の国立大学法人を含む特定事業者は、環境報告書を作成し、これを公表しなければならない(第九条)とされました。環境報告書の作成義務を負う国立大学は以下の60校であり、それぞれweb上に環境報告書を掲載しています。

☆環境報告書の内容

では、環境報告書にはどのような内容が記載されているでしょうか?
環境省では1997年6月に「環境報告書作成ガイドライン~よくわかる環境報告書の作り方」を策定しました。環境報告書を発行する事業者が増え、記載内容の多様化、事業者の環境パフォーマンスの第三者による評価が行われるようになったこと等を受け、2000年環境省は「環境報告書ガイドライン(2000年度版)~環境報告書作成のための手引き」を作成しました。このガイドラインでは、

  • 環境方針
  • 環境目標や環境計画
  • 環境関係に関する情報
  • 環境マネジメント体制
  • エネルギー、水等の使用に伴う環境負荷及びその低減対策
  • 環境コミュニケーション
  • 環境に関する法令順守状況
  • 等が挙げられています。

    ガイドラインは環境報告書ガイドライン2003,2007,2012年に改定を加え、(社会・時代の流れに即したガイドラインが作成され、)
    それに対応する情報が公開されています。また、環境マネジメントシステムISO14001ではPDCAサイクルの実施が必要であり、事業活動に伴う環境負荷を始め、環境全般の情報を把握し改善につなげていきます。こうした認証を取得するためのステップとしても環境情報の把握・発信、即ち環境報告書の作成は必要となります。

    ☆エコアクション21ガイドライン

    しかし、ガイドラインに則った報告書の作成には人員、資金だけでなく、場合によってはハード機器の導入が必要となる場合もあり、こうした資源の確保が可能な大企業・大学以外では作成が難しい状況があります。環境省では、中小企業が自主的に環境目標を持ち行動するための方法を提供することを目的とし、1996年に「環境活動評価プログラム」を策定しました。1999年には内容を改定し、中小企業が比較的容易に環境保全への取り組み、環境報告書の作成ができるよう、エコアクション21を策定しました。環境経営システム、グリーン購入、環境コミュニケーション等の視点を加え、自主的な取り組みを促すだけでなく、それを第三者機関が認証する形式へと変化し、現在は中小企業向けのガイドライン及び環境マネジメントシステムとして普及しています。

    大学における環境報告書では、このどちらかのガイドラインを参照して作成されることが多いですが、一部の公立・私立大学においても独自に環境報告書が作成され、国立大学の報告書と異なり、大学の強みを押し出した報告書が作成されています。
    そのため、様々な大学の環境報告書を読み比べるてみのも面白いかと思います。

    参考


    環境省 エコアクション21ガイドライン(2009年度版)

    環境省 環境配慮促進法

    環境省 環境報告書ガイドライン2000